ラブライブの楽曲で勇気づけられた話

当記事はラブライブ! Advent Calendar 2017 - Adventarの14日目の記事です。

この企画で記事を執筆するのは2回目になります。前回同様、ポエム的な側面が強い記事になりますのでご了承ください。

また、後段の話は全くラブライブ!とは直接には関係の無い個人的な話にはなりますが、皆様のキャリアを考える上での参考になればとの次第です。

 

好きな曲は?

Aqoursの曲で好きな曲を一つ挙げるとしたら?と問われた際、皆さんそれぞれの好きな曲があると思います。楽曲が豊かなコンテンツならではの魅力ですね。

では私はどうなのかと言われれば、数ある楽曲の中でも「ダイスキだったらダイジョウブ!」と答えることが多いような気がします。

ストーリー本編での楽曲の展開のされ方も勿論、特に歌詞に共感する部分が多いのが大きな要因でしょう。

“やってみよう” 決めたのはどうしてかを 説明できる言葉はつたないけど

何故その行動を取るに至ったか、その行動の主軸にあるPrincipleは何かを突き詰めていくようなフレーズがここにあるのではないのでしょうか。「説明できる言葉はつたない」というところにも、女子高校生というティーンエイジャー特有の未熟さも感じられます。短いながらも作品やキャラクターを感じることが出来る、秀逸なフレーズです。

(余談ですがこのパートを逢田梨香子さんが歌っているのもまた良いですね。声が好き。)

 

楽曲と思い出の結びつき

楽曲を聴いていると、「聴いていた時はこうだったな」など、その時の思い出が出てくることは多くの人にあることだと思っております。記憶が五感と結びつくことは、恐らく自然なことでしょう。

では私は、と言うと「ダイスキだったらダイジョウブ!」を聴くと2017年の2月の末を思い出します。Aqoursの1stライブですね。その時に初めて、この曲が歌う「迷いながらも初心を思い起こし、進むべき道を選択する決心」のようなテーマに共感した覚えがあります。

 

それでもスタートしたのは運命かな

私個人の話にはなりますが、大学を卒業した後に日系の投資銀行に就職しました。ちょうど1stライブの頃には、働き始めて数年が経とうとしており、一通りのアナリストとしての所作もこなせるようになったのかな、と思っていました(今思い返せば全然まだまだなのですが。)。

そんな時に幸運にご縁も有り、とある外資系の投資銀行からオファーが出ました。

この時、今まで自分を指導してくれた上司に対する裏切りのような気持ちに葛藤したり、仕事内容はあまり変わらないとはいえ、リストラに遭うリスクも覚悟でどこまで自分の人生において、私生活を犠牲にして仕事に生きていくのか、ということについても考えさせられました。

そんな迷いを抱えた私がふと大事なことに気付かされたのが、上記のフレーズです。

何故今の仕事を始めたのか、何をしたいのか、そして何になりたいのか。自らの行動規範(あえてここでは明確には書きませんが)を思い起こすことで、日系企業で働く安定を捨ててでもリスクを取りに行くだけの理由が自分にはあるな、と1stライブで決意した思い出があります。

個人的な事情ではありますが、そのような意味でも、物凄く思い出深い曲になったな、と思っております。

 

余談:現状について

本当に「ダイスキがあればダイジョウブ」だったのか、ということを少し記述したいと思います。

結論から言えば「何とか大丈夫」ではありましたが、日系と外資系では違う点が多くあり、そこに慣れるのに数か月は苦労した覚えがあります。普通にクビが起こって人が居なくなるのはもう慣れましたが。あとここまで書いておいて大変申し訳ないのですが、体調を崩してこれ以上筆を執る気力が無いので、転職の話とか日系から外資系への転職に興味のある方はTwitterなり質問箱なりで質問してくれれば適宜回答します。ここまでお読み頂いた皆様、ありがとうございました。

 

 

少年少女よ夢を持て

当記事はラブライブ! Advent Calendar 2017 - Adventarの10日目の記事です。

昨日の記事はくんすとさんによる記事でした。

ラブライブ!楽曲の調性一覧 - 調性ラブライブ!

音楽活動に多少なり携わっている私としても非常に馴染みが深く、興味深い記事でした。アドベントカレンダーという取り組みは、日々新しい発見や知識が蓄積されていく感じが心地良いですね。

昨年度もこの企画で拙文を投稿させていただきましたが、今年もラブライブ!にまつわる一本の記事を執筆します。私的な内容が幾分も含まれますが、少しでも共感を得られたら…という次第です。

 

ヴィジョンを持って生きているか

唐突な見出しに驚かれたかもしれません。今回の話のテーマは「夢」です。

みなさんは将来やりたいことがありますか?なりたいものはありますか?夢を持って、日々を必死に生きていますか?

夢を持って生きている人がいる一方、日々の生活や目の前の事で手一杯になっている人も数多くいると思っています(なお私はその一人です。)。

思えば私含めた20代後半の方々は、バブル経済崩壊後に始まり金融危機を経た「失われた20年」がティーンエイジの大宗を占め、新卒就職についてもようやく上向きになってきたか、というくらいの時期を過ごしてきたのではないのでしょうか。

我々若者は、生きることに必死になって、夢を忘れた世代なのかもしれません。

 

ラブライブ!サンシャイン!!という作品

元々ラブライブ!の時代からアニメを見続け、ライブイベント等にも参加してきた私ですが、ラブライブ!サンシャイン!!(以下、「サンシャイン」という。)が始まってから、特にキャストの方々の人生(とは言っても表面の一部に過ぎないことは承知しておりますが)を雑誌媒体等で知ってから、物凄く心惹かれる、まさに生活の一部を為す作品になったことは間違いないのだろうと考えております。

なぜ我々若者はここまで一つのコンテンツに真剣になれるのか、それに対して一つの解を導いてくれるのが、恐らく先述のキーワードである「夢」と「キャスト」にあります(勿論、これはあくまでも「私の場合」なので、作品やコンテンツを好きになっていく理由は人それぞれです。)。

 

I dreamed a dream

夢破れて。

サンシャインのキャストの方々のデビュー前の様子は、ある程度ではあるものの、雑誌媒体のインタビューから伺うことが出来ます。

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1st Live "Step Zero to One"後に発行された電撃G's magazineのこちらの号外より、一部要約した上で一部引用します(詳細な内容については別途こちらをお読みください。)。

“以前から「ラブライブ!」の大ファンで、「ラブライブ!」は憧れの作品。このオーディションに吸収してきた全てを捧げる強い気持ちで臨んだ。受からなかったら、声優になる夢を諦めようと思った(伊波杏樹さん)”

“歌手デビューしたものの、中々順調に行かない日々。歌うことは諦められないし、これからどうしたら良いか迷っていた時に声優オーディションのお話があった(小林愛香さん)”

 “元々「ラブライブ!」が大好きで、主人公たちの姿が声優になろうと試行錯誤する自分の姿と重なった。作中の悩みに共感したり…だからこそ憧れの作品に出ようと思った(降幡愛さん)”

 これらのインタビューからも分かるように、皆何かになりたい、何かを成し遂げたいという大義を持っていながらも中々それが実現せずにくすぶっていたり、試行錯誤を繰り返していた人達だったのです。

日々が手一杯になっている、何となく日々を過ごす私からすれば彼女らは対照的な存在であり、サンシャインの作品、ライブイベントを通じてその夢のステージに足を掛けていく様に心惹かれたことは間違いありません。

 

ラブライブ!は自分の人生に向き合わされる作品

いつも私はアニメを観た後やライブを観た後に、自分の生き方や人生の行く先について考えさせられます。自分の夢は何か、今後の人生をどう生きて、何をして自己実現を図って行くのか、と。

夢を叶えていく彼女たちの姿は眩しい。だが傍観者のままでありたくない。そういう気持ちが私を恐らく人生という命題に向き合わさせるのでしょう。ライブ後のツイートですらこの様です。

 

叶え!みんなの夢

聞き覚えのあるタイトルです。ラブライブ!シリーズを体現する言葉であり、それはコンテンツに関わる全ての人間に投げかけられたメッセージです。

そんなキー・メッセージを体現する、私が一生忘れたく無いと思うくらいにメモを取ったキャストの言葉があります。

 “私には夢があります。皆が目標を持ってそれぞれの人生を頑張っていて、その中にAqoursがいて、Aqoursを通して、みんなの夢や生きる活力になって欲しいなと思っています。Aqoursの夢が皆の夢になったらいいなって。みんなの生きる活力になりたいんだよ!本当に!皆さん明日からも頑張れますか!?(高槻かなこさん)”

自らの仕事を通して、ファンの夢や日々の生きる力になりたい。こんな素晴らしい自己実現があるのでしょうか。この記事を書きながらも改めて、私はまだ何もやりきってないし、やり遂げなければならぬことが沢山あるな、と思います。

日々を精一杯生きること。これが彼女たちへの私が今できる一つの恩返しであり、人生に向き合うことに対する一つの解なのかもしれません。

 

おわりに

私の個人的な思いに過ぎませんが、成長するコンテンツやキャストとともにそれを享受する我々も成熟する存在であれば嬉しいことだな、と思います。

勿論、Aqoursの夢がみんなの夢になったら、いいですね。だから夢を、ヴィジョンを持ちましょう。そして頑張っていきましょう。

これが今回の、私のキー・メッセージです。

取り留めもない文章をつらつらと書きましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。また別のテーマでも執筆する予定ですので、再度拙文にお付き合いください。

ラブライブの普及要因とこれからについて素人がちょっと考えてみた

当記事はラブライブ! Advent Calendar 2016 - Adventarの11日目の記事です。企画ありがとうございます。

 

はじめに

最近、ラブライブをよく知っている、好きだという方を多く見かけるようになりました。上司の小学生の娘さんや合コンで出会った女性等、その年齢層は様々です。個人的体験ではありますが、1年程前、名古屋の駅前の映画館で小学生の女の子たちがラブライブの映画館で売っているラブライブキャラクターがデザインされたポップコーンのセット(確か1年生組だった)を持って映画の感想を語り合いながら歩いているのを見て、ここまでファン層が広がっているのかと感動を覚えたのも記憶に新しいぐらいです。

アニメ放映(それも時間的には深夜帯に分類可能であろう)があったとはいえ、一雑誌の読者連動企画が何故これだけの幅広い年齢層に受容されているのか、ということについて疑問を持つようになりました。

なお、今回は「広いファン層の獲得」を本件における普及として定義し分析していくものです。

 

※注:著者はマーケティング等に関しては数冊本を読みかじったぐらいの素人です。マーケターやコンサルタントの方がいらっしゃったら是非ご意見いただけると幸いです。

 

プロダクトの普及率と溝

ロジャースの普及学から引用すれば、一般的に製品やサービスの普及率の推移はイノベーションによる上昇と飽和による下降をたどると言われています(詳細は下記図ご参照)。

普及学 - Wikipedia

その中で説明されているイノベーション普及モデルでは、縦軸を採用者数、横軸を時間として、採用速度によって以下5つのカテゴリーに分類されるとしております(カッコ内はプロダクトが属する市場における採用者数の割合)。

・Innovators (2.5%)

・Early adopters (13.5%)

・Early majority (34.0%)

・Late majority (34.0%)

・Laggards (16.0%)

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(出所:ムーア著「ライフサイクルイノベーション」より著者作成)

詳しい説明はWikiとかにいくらでも落ちてるのでこちらでは割愛させていただきますが、重要な点を言えば「Early adoptersとEarly majorityの間には大きな溝がある」ということです。

これはムーアのキャズム理論でも説明されており、プロダクトの普及率は新しいものを進んで好むInovatorsとトレンドに敏感なEarly adoptersを合わせた16%にとどまるとされております。Early adoptersとEarly majorityの間にあるキャズム(深い溝の意)を超えるためにはそれぞれの層に合わせたマーケティングが必要ということになります。

 

エンタメ市場におけるキャズム

ハイテク市場においては、利用者の生活様式を大きく変えてしまうような製品は新しいもの好きには受け入れられるものの、実利主義者たるEarly majorityには実用的でなければ受け入れられ難いという事実があります。例としては、スマートフォンの普及に際して、ガラケーでの物理ボタンに慣れた人たちに対していかに抵抗無くタッチパネルに慣れさせるか、ということも恐らく論点ではあったでしょう。

一方、エンタメ市場におけるアニメ作品の普及プロセスを考慮した際、InnovatorsとEarly adoptersはどのようなユーザーが適合するのかと言えば、誰も知らない段階でトレンドを先取りしていきたい人たち(所謂古参と呼ばれる人たちでしょうか)がInnovators、アニメ化決定時点やアニメ化した時点でトレンドを受容する人たちがEarly adoptersと言った分類になるかと思われます。

キャズムを超えるには、特定のEarly majority層(ニッチな実利主義者)に対して実利を満たすことや機能的に使えることをアピールしてもらったり、体験してもらうことが必要です。

 アニメだけでなく音楽や他の映像作品等を含む広義のエンタメ市場においては、とあるアニメ作品が実利的である(=彼らの趣味となるコンテンツの一部になる)ことを他のユーザーにも訴求することが求められます。

 

ラブライブはどうしてキャズムを越えたのか

この問いに対する答えとしては、ラブライブが持つ高いコンテンツ性を正しく訴求することができたから、ということに集約されると考えております。

ラブライブの競争優位性はアニメとしてのストーリーは勿論、それ以上に細部に拘ったキャラクター、音楽とダンスパフォーマンスに起因するところがあります。ラブライブのアニメを見たことのある方ならお分かりかと思われますが、特に無印ラブライブではキャラクターの個々の描かれ方が非常に強い印象があります。また、音楽やダンスについては本格的に作り上げられており、特にダンスシーンについては一貫して妥協することなく作り上げられていると考えております。なお、この点の考察については個人的感想も強いと認識しておりますが、他のプロダクトとの比較における優位性を示すことが少々難しいため(純粋に比較できるものや代替品が無いため)、このような形になっております。

一方、コンテンツの訴求手段となるマーケティング手法はいかなるものだったのかと言えば、それはスクフェスのリリースにフォーカスすると解が少し見えてくるのではないかと考えております。

 

スクフェスラブライブの持つ強みをスマホユーザーに訴求した

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(出所:Klab株式会社決算説明会資料)

上記は国内ユーザー数の増加推移であり、スクフェスのユーザー数は1期アニメ放映後のリリース日(iOS向けが2013年4月15日、Android向けが2013年6月6日)から順調に増加しています。2016年3月には国内ユーザー数は1,500万人を突破し、日本の人口12,692万人(2016年3月1日概算値)の約12%がユーザーであるということになります。

エンタメ市場が対象とする市場の人口規模は定かではないものの、少なくとも現状ではキャズム越えの目安の16%を超えていることは確かではないのでしょうか。

実際にプレイした人ならお分かりだとは思いますが、スクフェスの強みはラブライブの楽曲をフリーで楽しむことができ、様々なキャラクターデザインを楽しむことができると言う点にあります。これらの強みを、アニメにそこまでの興味は無いが従来のスマホゲーム(例:パズドラ等)を楽しむユーザーに訴求できた点をキャズム越えの一つの要因として見ることができるでしょう。

実際にスクフェスのユーザー属性を見てみると、以下のようになっているようです。

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(出所:App ape)

スマホの中にインストールされている数(所持数)の割合ではありますが、女性ユーザーが多いことが分かります。ライブ現場等に行ったことのある方なら体感で理解できるかと思われますが、ラブライブの現場は男性の割合が多いです。その事実を鑑みれば、スクフェスが「イベントには行かないがラブライブの楽曲等のコンテンツは享受しうる、音楽等への受容性が高い」ようなEarly majorityを取り込むことに寄与していることがうかがえます。

 

成熟したラブライブに求められること

キャズムを越え、東京ドームのキャパシティでライブが可能になったラブライブは明らかに成熟ステージに突入しています。成熟したプロダクトがcustomer intimacyを向上させるために必要な手段として、4つのイノベーションが存在すると言われております。それらのイノベーションは「製品ライン拡張イノベーション」、「機能強化イノベーション」のプロダクトの変更や機能強化によるもの、「マーケティングイノベーション」のマーケティング手法の変更によるもの、「顧客エクスペリエンスによるイノベーション」に大別されます。

コンテンツ産業において、差別化により競争優位を図ると言う観点では、コンテンツそのものに触れることがユーザーに対する差別化の訴求につながると考えております(その意味では、ラブライブサンシャインは「製品ライン拡張イノベーション」に分類されます)。顧客エクスペリエンスイノベーションにおいては、コンテンツそのものはコンテクストであり、顧客エクスペリエンスこそがコアであるという考え方に基づいて差別化を図ることになります。

顧客エクスペリエンスの良い例がディズニーランドです。映画のシナリオを再構築した乗り物や施設を再現し、細部にまでディズニーの世界の一貫性を持たせることでテーマパーク内の顧客体験は心理的にも物理的にもディズニーの世界そのものの体験となっています。この顧客体験を継続して提供することが他のテーマパークとの差別化要因になっており、競争優位の源泉にもなっていると考えられます。

今後のラブライブが競争優位であるためには、ラブライブの世界やこれまでこだわってきたであろう楽曲やダンス、キャラクターの描き込みに忠実となってライブパフォーマンスを実施すること等で、特有の顧客エクスペリエンスを提供し、顧客との安定した関係を維持することが必要なのかと考えております。

 

おわりに

色々とグダグダと書き連ねた割には「スクフェスラブライブの持つ強みをライトユーザーに波及させた」といったアタリマエの結論しか言えてないのはさておき、僕はラブライブが好きです。好きだからこそGoing Concernなコンテンツであって欲しいと思ってやまないものです。

だからこそ僕はラブライブコア・コンピタンスである「強いキャラクター性」「楽曲」「ダンスシーン」を忠実に守ってくれることを期待していますし、それを非力ながらも下支えしていきたいと思っています。少なからずこの強みでポジショニングを取っているのはラブライブ先行者であると僕は考えてますし、そんなマーケットリーダーとしてのラブライブに、今後の活躍を期待するばかりです。

 

余談ですが、日曜の昼間に文章を書いてみるのもなかなか面白い経験だったので、これからも自己啓発を兼ねて様々な分野で執筆してみるのも良いかなと思っています。拙文に御付合いいただきありがとうございました。